過去問だけじゃ意味が理解できないな…。
分かりやすい図や表でまとめたので紹介します!
「コンクリートはどんな種類があるんだろぉ?」
「試験にはどんな問題が出るのかなぁ?」
これから級土木施工管理技士を受ける方はこのような不安があると思います。
今回はコンクリート工に関しての不安が解消できるようになる内容となっています!
この記事を読み終わる頃には、コンクリート工の試験対策はバッチリになっているでしょう!
多くの人は最初から経験したことのない分野は「勉強したくなぁ」と思ったり、「後回しでいいや」となって試験間近で焦ってしまうことが多いです。
私も最初の頃は同じような経験をしていました。
得意分野や、現場経験したことのある分野ばかりを勉強し、苦手だと思う分野とは距離を置いていました。
もちろん、得意分野を伸ばすことは合格するうえでは近道なので行動は間違ってはないですが、そのまま得意分野だけを勉強していても合格点に届かなくては合格できません。
「合格」と「不合格」は紙一重なのです。
少なからず合格点に達するように分野を取捨選択してからの勉強が1つ目の課題となるでしょう!
下の表が2級土木の第1次検定の出題内容です。
出題内容を一覧で見てみると「こんなにも覚えるべき項目があるのか!」と思うでしょう。
でもよく見てみると出題数と必要回答数があり選択問題の出題数が42問ある中で必要解答数は21問しかありません。
問題数の半分を解答すればいいことになりますね!
なので解答数が21問になるように問題を選んで集中して勉強する方法が最も効率の良い勉強法と言えます。
今回は選択問題の中の「コンクリート工」について紹介します。
紹介する内容は、過去10年間で多く出題されています。
【コンクリートの材料】過去10年間出題
【コンクリートの種類と配合、強度】過去4年間出題
【コンクリートの運搬、打込み、締固め】過去10年間出題
コンクリートとは?
まずコンクリートをイメージすると建物の壁や柱などをイメージするかと思います。
そのコンクリートとは一体何で作られているのか?
答えは、
セメント、骨材(砂、砂利、砕石)水によってできています。
そしてなぜ固まるかと言うとセメントと水を練り混ぜることに生じる化学反応によってコンクリートが硬くなるようです。
そのほかにも【モルタル】・【セメントペースト】などがあり、下記にて解説しています。
時期によって施工法が変わるコンクリート
コンクリートにも時期によって施工の仕方が異なります。
私たちも、冬は防寒対策をしたり
夏は涼しい格好をしたり
環境に合わせて変わりますよね?
コンクリートも一緒で【寒い時の対策】・【暑い時の対策】の2種類に分かれているので紹介します!
寒中コンクリート
「寒中コンクリート」は日平均気温が4℃以下になる時に呼ばれる名称です。
打込みするにあたって下記のような規定があります。
- 打込み時のコンクリート温度は5℃〜20℃
- 凍結したり雪氷が混入している骨材はそのまま使用しない
- できるだけ単位水量の少ないAEコンクリートを用いる
- 打込み後24時間は凍結しないように養生する
- 所定の強度までは5℃以上に保つ
暑中コンクリート
「暑中コンクリート」は日平均気温が25℃を超える時に呼ばれる名称です。
打込みするにあたって下記のような規定があります。
- 打込み時のコンクリート温度は35℃以下
- できるだけ低温度の材料(骨材、水など)を用いる
- 単位水量が増える傾向のため、AE減水剤、流動化剤などを用い、単位水量をできるだけ少なくする
- 養生は直射日光と風を防ぐ
コンクリートの品質規定を覚えておこう!
コンクリートにはコンクリートの品質を保つために様々な規定があります。
代表的な5つの規定について紹介します!
圧縮強度
圧縮強度とは、専用の機械に採取したコンクリートを設置しコンクリートをつぶすように圧縮して強度を数値化したものです。
コンクリート強度は材齢28日における標準養生供試体の試験値で表します。
重要なのは合否の判断基準となる圧縮強度判定基準が必要で下記の通りになります。
1回の試験結果は、強度の強度値の85%以上でかつ、3回の試験結果の平均値は、呼び強度の強度値以上とする。
空気量
空気量とは、コンクリートの内部に存在する空気量のことです。
空気量の測定は、専用の容器(空気量測定器)にコンクリートを流し込みコンクリート中の空気量を計ります。
空気量が全くないのもダメですが多すぎてもコンクリートの強度低下や乾燥収縮が大きくなるのでコンクリートの品質が保てません。
下記の表がコンクリート空気量の目安となる表です。
スランプ
コンクリートスランプとは、生コンクリートの柔らかさを示す数値のことです。
スランプが高いほど柔らかく低いほど硬くなります。
一般的には硬い方がいいとされています。
塩化物含有物
コンクリート中に鉄筋がある場合、塩化物が多く含まれていると鉄筋がさびやすくなります。
海砂や海水を使用すると基準値を超えるおそれがあるので避けた方がいいでしょう!
塩化物イオン量として、0.30kg/㎥以下とする。(承認を受けた場合は0.60kg/㎥以下とする)
アルカリ骨材反応の防止対策
- アルカリシリカ反応性試験で無害と判定された骨材を使用する。
- コンクリート中のアルカリ総量をNa
- 混合セメント及びフライアッシュセメントを使用する。
- 混和材をポルトラドセメントに混入した結合材を使用して抑制する。
コンクリートの材料
コンクリートの3大要素となる材料を紹介します。
セメントの種類
セメントにも種類があり、大きく分けるとポルトランドセメントと混合セメントに分類されます。
▪️ポルトランドセメントの種類(6種類)
普通・早強・超早強・中庸熱・低熱・耐硫酸塩ポラロイドセメント(低アルカリ形)
▪️混合セメント(JISに規定されている4種類)
高炉セメント・フライアッシュセメント・シリカセメント・エコセメント
▪️混和材料
セメント、水、骨材以外で、コンクリートの性質を改善するために混和材料が用いられます。
上記の中で出題傾向が高いのは【AE剤】・【減水剤】・【AE減水剤】が多いです。
最低でも上記の3つの項目は覚えるようにしましょう!
骨材の種類
骨材の種類は大きく分けて細骨材と粗骨材の2種類です。
骨材はセメントと水に練り混ぜる砂、砂利、砕石、砕砂などの材料です。
コンクリート骨材には水分の吸水量を示した状態があります。
【絶対乾燥状態】・【空気中乾燥状態】・【表面乾燥飽水状態】・【湿潤状態】です。
下記の図で水分の状態を表しています。
水の種類
セメントと骨材を撹拌させるために重要な水です!
ここでは練り混ぜ水とも呼びます。
一般的に使われるのは蛇口から出る上水道でしょう!
他にも下記のような練り混ぜ水があります。
河川水・湖沼水・地下水・工業用水(鋼材を腐食させる有害物質を含まない水)
鉄筋を配筋している場合には海水の使用は避けてください!
塩分によって鉄が錆びる恐れがあります。
コンクリートの種類と配合、強度
コンクリートは、用途や材料などによって、さまざまなタイプに分類されています。
使用材料による分類
【コンクリート】
セメント・水・骨材(砂、砂利、砕石)を練り混ぜて一体化した材料
【モルタル】
セメント・水・細骨材(砂等)を練り混ぜて一体化した材料
【セメントペースト】
セメント・水を練り混ぜて一体化した材料
練り混ぜ・打込み・形状による分類
【フレッシュコンクリート】
練り混ぜてから型枠に流し込まれて、まだ固まらないコンクリート
【レディミクスコンクリート】
コンクリート工場から購入することのできるフレッシュコンクリート
【プレキャストコンクリート】
工場や現場の製作設備によって、あらかじめ製造されたコンクリート製品や部材
【マスコンクリート】
構造物や部材の寸法が大きい構造物となるコンクリート
コンクリートの配合と強度
コンクリートの配合とは「呼び強度」・「スランプ」・「粗骨材の最大寸法」のことを指します。
生コンを買いに行ったりすると配合は必ず聞かれる事だと思います。
その時、「18-8-25」と答えれば左から「呼び強度ースランプー粗骨材の最大寸法」となります。
「スランプ」については上記で説明したので「呼び強度」と「粗骨材の最大寸法」の説明をしていきます。
呼び強度とは?
コンクリートは時間とともに強度が増していきます。
一般的に打設から28日目でコンクリートの強度が出るので28日経過した供試体の強度をいいます。
粗骨材の最大寸法とは?
質量で骨材の90%以上が通るふるいのうち、最小寸法のふるいの呼び寸法で示される粗骨材の寸法。
一般的には、20mm・25mmです。
断面が大きいものであれば40mmになるものもあります。
コンクリートの運搬、打込み、締固め、養生
コンクリート施工については、運搬⇨打込み⇨締固めの順で行っていきます。
やはりコンクリートなので最終的には「カチカチ」に固まってしまいますよね?
そのためコンクリートの練り混ぜから打ち終わりまでには基準となる時間があります。
▪️練り混ぜから打ち終わりまでの時間
- 外気温25℃以下の場合では2時間以内
- 外気温25℃を超える場合では1.5時間以内
運搬
運搬と言っても生コン屋さんから現場までの運搬と現場内での運搬の2種類があります。
現場までの運搬では、「トラックミキサ」や「トラックアジデータ」などがあります。
道路で1度は見かけたことはある後ろでグルグル回っている大きなトラックが「トラックミキサ」です。
現場では「ミキサー車」と呼ばれたりしていますね!
レディーミクスコンクリート(生コンクリート)は練り混ぜ開始しから荷下ろしまで1.5時間以内としています。
続いて、現場内での運搬では「コンクリートポンプ」や「手押し車・トロッコ」などがあります。
【コンクリートポンプ】
管径は大きいほど圧送負荷は小さいが、作業性は低下する。
コンクリートポンプの配管経路は短く、曲がりの数を少なくし、コンクリートの圧送に先立ち先送りモルタルを圧送し配管内面の潤滑性を確保する。
【手押し車・トロッコ】
手押し車やトロッコを使用する場合の運搬距離は50〜100m以下の平坦な運搬路で使用すること。
打込み
コンクリートが現場に到着したらいよいよ打込み作業を開始します。
打込みに関しても注意点がいくつかあるので覚えておきましょう!
まず、打ち込む前に型枠や鉄筋の位置を確認します。
ズレていたり鉄筋の結束が外れてしまっている場合はその場で補修しましょう。
また、型枠内にたまっている水は打ち込む前に除去します。
打込み中は鉄筋の配置や型枠を乱さないよう注意しながら打設していきます。
コンクリートは、打ち込む目的の近くでおろし打設するのが基本です!
型枠内での横移動は避けましょう!
シュートを用いての打込みを行う場合は、縦シュートが基準。
斜めシュートを使用すると下図のような状態が発生するので注意が必要です。
やむをえず斜めシュートを使用する場合は、水平2:鉛直1の傾き程度にしましょう!
一区画内でのコンクリートの打ち込みでは、完了するまで連続で打込みます。
2層以上打ち込む場合は、各コンクリートが一体となるよう施工していきます。
▪️打ち重ね時間の間隔の基準
- 外気温25℃以上の場合 ⇨ 2.5時間
- 外気温25℃を超える場合 ⇨ 2.0時間
材料分離を起こさないよう1層あたりの打ち込み高さは40〜50㎝以下が標準。
仕上がり速度は、30分につき1.0〜1.5m以下が標準。
打込み後、表面にブリーディング水がある場合は取り除きましょう!
締固め
コンクリートの締固めにつては出題頻度の高い5つの項目を押さえておきましょう!
- 原則として内部振動機を使用すること。
- 内部振動機は、コンクリート中に10㎝程度挿入すること。
- 内部振動機は、鉛直に挿入し挿入間隔は一般的に50㎝以下とする。
- 内部振動機はコンクリートを移動する目的で使用してはならない。
- 1箇所あたりの振動時間は5秒〜10秒とし、引き抜くときは穴の後が残らないようにする。
養生
「養生」とは、コンクリートの品質を保つために、硬化までの間にほどこす対処のことです。
養生の方法は大きく分けて3つに分類されます。
①湿潤状態に保つ
コンクリート表面に散水・湿らした布で保護をする等
②温度を制御する
コンクリート周囲を所定の温度に保つ
③有害な作用に対して保護をする
衝撃や荷重を加えないように保護をする。
▪️湿潤養生期間
下記の養生期間をと保つようにする。
まとめ
今回は、土木一般【コンクリート工】について紹介しました。
コンクリート工の覚えるべき重要ポイントは
- コンクリートの打込みの注意点
- コンクリートの混和剤の種類と特徴
- コンクリートに使用する骨材の種類
上記の3つは出題頻度も多く覚えておいたほうがいいでしょう!
試験までは往復学習し確実に覚えるこを目標として勉強を進めていきましょう!
日々の忙しい中、試験勉強は大変ですが、当ブログを少しでも参考にしていただければと思います。
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