
過去問だけじゃ意味が理解できないな…。

分かりやすい図や表でまとめたので紹介します!
「海岸」はイメージできても「港湾」をイメージできる人は少ないでしょう。
最初に「海岸」・「港湾」の意味について紹介します!
海岸とは陸が海に面している場所のことを言います。
「海辺」や「水際」なんて言い方もされています。
海岸をイメージすると砂浜沿いに大きな壁のようなものがありますよね?
それがいわゆる堤防です。
堤防とは大きな波が来た時に住宅地へ波がいかないよう防止するための構造物です。
この堤防は私たちの安全な暮らしを守るために重要な役割をになっています。
この2級土木施工管理技士では海岸堤防においての内容が多く出題されています。
港湾とは簡単にいうと海の駅のようなもの。
海の上に浮かんでいるように見えるコンクリートの構造物が「港湾」です。
主に船の停泊し、荷物の積み下ろしや、乗客の乗降などに使われています。
今回は2級土木施工管理技士の観点から紹介していきます!
- 海岸・港湾に関しての知識がない
- どこから勉強していいか分からない
- 重要な所だけ勉強したい
下の表が2級土木の第1次検定の出題内容です。

今回紹介する内容は、過去10年間で多く出題されている内容をピックアップして紹介します。
【海岸堤防の形式と構造】過去5年間出題
【消波工に関する施工上の留意点】過去4年間出題
【港湾の各種防波堤の施工】過去7年間出題
【浚渫工事の施工】過去3年間出題
海岸堤防の形式と構造
海岸堤防とは高潮や津波によって海水が陸地に侵入するのを防ぐ海岸保全施設の1つです。
海岸堤防と一言でいっても大きく分けて4つの種類に分けられます。
海岸堤防の形式には、直立型、傾斜型、緩傾斜型、混成型があります。
表勾配が1:1未満のものを直立提、1:1未満のものを傾斜提といい、傾斜提のうち1:3以上のものを緩傾斜といいます。


傾斜型海岸堤防は、堤体工、基礎工、根固工、表法被覆工、波返し工、天端被覆工、裏法被覆工で構成されています。
海岸堤防を施工する上でさまざまな工種によって形成されます。
主な工種は下の4つの工種です!
盛土材料は多少粘土を含む砂質、砂礫質の用土を原則とし、厚さ30㎝程度ごとに層状に締固める。
コンクリート被覆式が一般的で、厚さは標準50㎝以上とする。
堤防天端からの高さは1m以下とし、天端幅は50㎝以上とする。
天端幅は原則として3m以上とし、直立型重力式堤防の場合は1m以上とする。天端被覆工は、排水のために陸側に3~5%程度の片勾配をつけるのがよいとされている。
消波工に関する施工上の留意点
消波工は、波力を軽減し、波の打上げ高さや越波量を減らす役割があります。
また、離岸堤、突提などは、海岸浸食の対策にも用いられています。
消波工には、捨石を投入する方法や、消波ブロックを据え付ける方法もあります。

離岸堤は、沖合に海岸線と平行に作られている構造物で、その効果は2つ。
1つは、波を消す機能、あるいは波の勢いを弱める機能で陸上部への波の浸食を食い止める効果。
2つ目は、海岸の砂が波で沖にとられるのを防ぎ、背後に砂をためる効果。
漂砂の方向が一定せず沖合い方向への砂の移動が多い場所では、突提よりも離岸堤のほうが望ましいです。

海岸線に直角方向に海側に細長く突出して設置される提体で、沿岸漂砂を制御することにより汀線を維持する。
漂砂下手側では浸食が生じるので、通常複数の突提を適当な間隔で配置した突提群として効果を発揮させるものが多いです。
異形コンクリートブロックの施工
消波工として一般的に用いられるのが異形コンクリートブロックです。
その主な役割は、ブロックとブロックを波が通過することにより、波のエネルギーを減少させることです。
異形コンクリートブロックを層積みで施工する場合は、ブロックの向きを規則正しく配列するすえつける必要があります。
また、海岸堤防の消波工のほかに、海岸の侵食対策としても多く用いられています。

港湾の各種防波堤の施工
海岸における防波堤には、主に直立提、傾斜提、混成提、消波ブロック被覆提といった構造形式のタイプがあります。

- 前面が鉛直な壁体を据え付ける構造
- 鉛直壁で波力を受け、波の反射が大きい
- 海岸の地盤が硬く、洗堀のおそれのない場所で用いられる

- 捨石やコンクリートを台形断面に入れる
- 法斜面で砕波するので反射波が少ない
- 凹凸や軟弱な海底地盤にも対応している
- 底面幅が広いので、水深の浅い場所や小規模な防波堤に用いられる

- 傾斜提の上に、直立提を設置した構造
- 軟弱な海底地盤や深い水深にも適用し、経済的な組み合わせができる
- 防波堤を小さくする事ができるため経済的で一般的に多く用いられる

- 直立提や混成提の前面に消波ブロックを置く構造
- 直立部に作用する波力や反射波を軽減
浚渫工事の施工
まず初めて聞いた人は「浚渫工事とはどんな工事?」と疑問に思います。
浚渫工事とは、簡単に言うと大きな船を通すための道を作る工事。
大きな貨物船や客船を走らせるために海底の土砂をすくい取り安全に運行できる環境を作ってあげることが大きな役割です。
そこで登場するのが浚渫船!
浚渫工事で多く用いられる浚渫船は「ポンプ浚渫船」・「クラブ浚渫船」の2つです。
クラブ浚渫船

大きなクラブバケットを海底におろし、土砂をつかんで浚渫します
- 浚渫深度や土質の制限はないが、浚渫底面を平坦に仕上げにくい
- 中小規模の浚渫や狭い場所に適し、浚渫深度や地盤条件に対して制限が少ない
- 非航式クラブ浚渫船の標準的な船団は、クラブ浚渫船、引航、土運船及び揚錨船の組み合わせで構成される
- 浚渫後の出来形確認測量には、原則として音響測探機を使用する
- ポンプ浚渫船より固い土でもOK

カッターの回転で海底を切削し、切削した土砂をポンプで吸い込み、排砂管により排送します
- 引船を伴う非航式と自航式がある
- カッターを使用することにより軟泥から軟質岩盤までの広い地盤適応性がある
- 大量の浚渫や埋立てに適する
ケーソンの施工
ケーソンとは、防波堤や岸壁を作る際に使われる鉄筋コンクリートでできた箱のようなものです。

混成提の施工順序は一般的に基礎工⇒本体工⇒根固工⇒上部工の順です。
ケーソンは、ケーソン式防波堤やケーソン式混成提、護岸、岸壁などの構造物に用いられ、通常では、陸上で製作したケーソンを、進水、曳航、据付け、中詰め、蓋コンクリート、上部コンクリートの順で施工する。

■係留施設
港湾における係留施設は、次のように分類されます。

まとめ
今回は、専門土木【海岸・港湾】について紹介しました。
海岸・港湾の覚えるべきポイントは
- 傾斜型海岸堤防の構造と各部の機能
- 港湾の各種防波堤の施工
上記の2つは出題頻度も多く覚えておいた方がいいでしょう!
試験までは往復学習し確実に覚えることを目標として勉強を進めていきましょう!
日々のお忙しい中、試験勉強は大変ですが、当ブログを少しでも参考にして頂ければと思います。
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